業務用エアコンの入替・交換で確認したいことと工事の流れ
業務用エアコンの入替・交換では、現在使用している機器を撤去して新しい機器を設置するだけでなく、室内機・室外機の設置状況や冷媒配管、電源、天井内の状態などを確認する必要があります。
特に天井カセット形や隠蔽配管を使用している場合は、既存設備をそのまま利用できるかによって工事内容や費用が変わることがあります。また、撤去・廃棄や試運転まで含めて、どこまで工事費に含まれるのかを確認することも大切です。
業務用エアコンの入れ替えを検討するタイミングから、機種選定、現地調査、交換工事、撤去・廃棄まで、入れ替え工事で確認しておきたい内容を解説します。
業務用エアコンを入れ替えるタイミング
業務用エアコンは、完全に故障してから交換するよりも、冷暖房能力の低下や故障の増加などの兆候が出た段階で入替を検討するほうが、余裕を持って工事を進められます。
特に店舗や事務所、工場などで空調が使えなくなると、営業や業務に影響する可能性があります。修理を繰り返している場合や長期間使用している場合は、今後の修理費用や使用期間も考慮し、交換との違いを比較することが大切です。
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冷暖房の効きが悪くなった
設定温度を変更しても室内がなかなか冷えない、暖まらない場合は、フィルターや熱交換器の汚れ、冷媒不足、部品の劣化などが考えられます。
清掃や修理によって改善するケースもありますが、機器そのものの劣化が進んでいる場合は、修理を繰り返すより入れ替えたほうが長期的な負担を抑えられることもあります。
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故障や修理の回数が増えた
一度修理しても別の箇所で不具合が発生するなど、故障が繰り返される場合は、入替を検討するタイミングの一つです。
修理費用が積み重なると、新しい業務用エアコンへ交換する場合との差が小さくなることがあります。今後どの程度使用する予定なのかも含めて判断しましょう。
電気代が以前より高くなった
長期間使用している業務用エアコンでは、機器の劣化や性能差によって消費電力が大きくなる場合があります。
ただし、電気代の上昇はエアコン本体だけが原因とは限りません。フィルターの汚れや冷媒漏れ、運転条件なども影響するため、まずは点検を行ったうえで交換の必要性を判断することが大切です。
業務用エアコンの入替前に確認すること
業務用エアコンの入替では、既存機器と同じ能力・同じ形状のものへ交換すればよいとは限りません。
現在の室内機・室外機の種類や能力、冷媒配管、電源、設置場所などを確認し、現在の使用環境に合った機種を選ぶ必要があります。特に既存設備を再利用できるかどうかは、工事内容や費用にも関わるため、事前に確認しておきたいところです。
室内機・室外機の種類を確認する
業務用エアコンには、天井カセット形、天吊形、壁掛形、床置形などさまざまなタイプがあります。
現在使用している室内機と同じタイプへ交換するケースが多いものの、店舗や事務所のレイアウト変更などに合わせて機種を変更することもできます。
室外機についても、設置スペースや周辺環境、搬入経路などを確認したうえで、新しい機器を設置できるか確認することが重要です。
現在の能力が適しているか見直す
入替時は、これまで使っていたエアコンと同じ能力の機種を選ぶとは限りません。
従業員数や来店客数、レイアウト、OA機器や厨房機器などの熱源、建物の断熱状況などが以前と変わっている場合、必要な空調能力も変わる可能性があります。
現在の使用環境に合った能力を選ぶことで、冷暖房不足や過剰な能力による無駄を防ぎやすくなります。
冷媒配管や隠蔽配管を再利用できるか確認する
既存の冷媒配管やドレン配管を再利用できれば、工事内容や費用を抑えられる可能性があります。
一方で、配管の状態や新旧機器の仕様によっては、配管の交換が必要になる場合もあります。
特に天井や壁の内部を通っている隠蔽配管は、交換に手間がかかることがあるため、現地調査の段階で確認しておくことが大切です。
電源や電圧を確認する
業務用エアコンでは、機種によって必要な電源や電圧が異なります。
既存機器が三相200Vなどの電源を使用している場合もあるため、新しい機器に交換する際は現在の電源設備で対応できるか確認する必要があります。
電源工事が必要になる場合もあるため、機器本体だけでなく電気設備まで含めて見積もりを確認しましょう。
業務用エアコンの入れ替え工事の流れ
業務用エアコンの交換工事は、現地調査を行ったうえで、既存機器の撤去、新しい機器の設置、配管・配線の接続、試運転という流れで進めるのが一般的です。
設置場所や機種によって工事内容は異なりますが、室内機・室外機だけでなく、冷媒配管やドレン配管、電源なども工事対象になります。既存機器の撤去・廃棄まで含めて、どこまで依頼できるかを確認しておくと安心です。
現地調査を行う
まず、現在の室内機・室外機の設置状況や冷媒配管、ドレン配管、電源、搬入経路などを確認します。
天井カセット形では、天井開口部のサイズや天井裏のスペース、隠蔽配管では配管の状態なども確認します。
現地調査の結果によって、既存配管を再利用できるか、追加の電気工事や配管工事が必要かなどが判断されます。
既存の室内機・室外機を撤去する
現地調査と機種選定が終わったら、既存の室内機・室外機を撤去します。
天井カセット形の場合は、室内機の取り外しに加えて、冷媒配管やドレン配管、電気配線などを切り離す作業が必要です。
室外機についても、設置場所によって搬出方法が異なります。屋上や狭い場所に設置されている場合は、搬出経路や作業方法の確認が必要になることがあります。
新しい室内機・室外機を設置する
既存機器を撤去した後、新しい室内機と室外機を搬入して設置します。
天井カセット形では、天井内に室内機を吊り込み、化粧パネルなどを取り付けます。室外機は、周囲の通風やメンテナンススペースなども考慮して設置します。
配管・配線を接続する
新しい室内機と室外機を冷媒配管やドレン配管、電源線、信号線などで接続します。
既存配管を再利用する場合も、新しい機器との適合性や配管の状態を確認してから接続することが重要です。
真空引き・試運転を行う
配管接続後は、真空引きなどの必要な工程を行い、配管内部の状態を整えます。
その後、冷暖房が正常に動作するか、異常な音や振動がないか、リモコン操作に問題がないかなどを確認して試運転・調整を行います。
業務用エアコンの入替費用は何で決まる?
業務用エアコンの入替費用は、機器本体の価格だけで決まるものではありません。能力や機種、設置場所、既存配管の状態、電源工事の有無、室外機の搬入方法などによって必要な工事が変わります。
また、既存機器の撤去・廃棄まで依頼する場合は、その費用が含まれているかも確認が必要です。「工事費込み」と表示されていても、何が含まれているのかは見積もりによって異なるため、総額だけで比較しないことが大切です。
機器の種類や能力によって変わる
業務用エアコンは、天井カセット形や天吊形、壁掛形など機種によって価格が異なります。
また、必要な能力が大きくなるほど機器価格も変わるため、店舗や事務所などの広さだけでなく、実際の使用環境に合わせて選定することが重要です。
配管・電気工事の有無で変わる
既存の冷媒配管や電源設備を再利用できれば、工事内容を抑えられる場合があります。
一方で、配管の交換や電源工事が必要になる場合は、その分の費用が加わります。隠蔽配管など、施工条件によって作業量が増える場合もあるため、現地調査を踏まえた見積もりを確認しましょう。
室外機の搬入・設置条件で変わる
室外機が地面に設置されている場合と、屋上や高所などに設置されている場合では、搬入・撤去の作業内容が異なります。
クレーンなど特殊な搬入作業が必要になるケースでは、標準的な交換工事より費用が高くなることがあります。
撤去・廃棄費用が含まれているか確認する
業務用エアコンの入替では、既存の室内機・室外機を撤去し、適切に処分する必要があります。
見積もりを比較する際は、新しい機器の価格や設置工事だけでなく、既存機器の撤去・廃棄まで含まれているかを確認しましょう。
「工事費込み」に含まれる範囲を確認する
「工事費込み」と記載されていても、標準的な設置工事のみを指している場合があります。
配管交換、電源工事、特殊な搬入、既存機器の撤去・廃棄などが別途になる可能性もあるため、見積もりでは工事内容を具体的に確認することが重要です。
業務用エアコンの入替は現地調査から始める
業務用エアコンの入替・交換では、機器の価格だけでなく、現在の設置状況や配管、電源、室外機の搬入条件などを確認したうえで工事内容を決めることが重要です。
特に天井カセット形や隠蔽配管を使用している場合、既存設備を再利用できるかどうかによって工事費用や作業内容が変わることがあります。また、撤去・廃棄まで含めた総額を確認しておけば、後から追加費用が発生するリスクも抑えやすくなります。
冷暖房の効きが悪い、故障が増えた、修理費用がかさんでいるなどの変化があれば、完全に故障してしまう前に現地調査を依頼し、入替に必要な工事内容と費用を確認しておくと安心です。
株式会社ハセガワ住設の代表取締役。千葉県流山市を拠点に、地域の空調・電気・換気・配管工事を担う会社を率いています。豊富な現場経験と、確かな技術をもとに、本コラムの監修を務めております。第二種電気工事士資格保有。













