業務用エアコンの冷媒配管工事とサイズについて解説
業務用エアコンの設置や入替では、本体の選定だけでなく冷媒配管の施工も重要になります。
冷媒配管は、室内機と室外機の間で冷媒を循環させるための配管で、配管サイズや施工方法が適切でない場合、エアコンの性能低下や故障につながる可能性があります。
特に業務用エアコンでは、機種や能力によって使用する配管サイズが異なり、配管の加工や接続、真空引きなど施工品質が重要になります。
業務用エアコンの冷媒配管サイズや工事内容、真空引きや洗浄が必要になる理由について解説します。
業務用エアコンの冷媒配管とは
冷媒配管とは、室内機と室外機をつなぎ、冷媒を循環させるための配管です。
業務用エアコンでは、室内機で空気を冷やしたり暖めたりするために、冷媒が配管内を移動しています。
冷媒配管は単なる配管ではなく、エアコンの冷暖房性能を維持するために重要な役割を持っています。
冷媒配管の役割
冷媒配管には、主に以下の2種類があります。
- 液管
- ガス管
液管は液体状の冷媒を流す配管、ガス管は気体状の冷媒を流す配管です。
2本の配管を通じて冷媒が循環することで、室内の熱を移動させ、冷房や暖房を行います。
液管とガス管の違い
液管とガス管では流れる冷媒の状態が異なるため、それぞれ適切なサイズが設定されています。
一般的にガス管の方が液管より太くなりますが、必要な配管サイズはエアコンの能力やメーカー、機種によって異なります。
見た目の太さだけで判断することはできないため、機種ごとの仕様確認が必要です。
冷媒配管工事が重要な理由
冷媒配管の施工状態は、業務用エアコンの性能に大きく影響します。
例えば、配管接続部分の加工不良や施工ミスがあると、冷媒漏れや冷暖房能力の低下につながる場合があります。
また、配管内部に空気や水分が残っていると、冷媒の循環に影響し、コンプレッサーなどの部品に負担をかける可能性があります。
そのため、配管サイズの選定だけでなく、接続や真空引きなどの施工工程も重要です。
業務用エアコンで使用する冷媒配管のサイズ
冷媒配管のサイズは、使用する業務用エアコンの能力や機種によって決まります。
同じ業務用エアコンでも、メーカーやシリーズによって指定される配管サイズが異なるため、一般的なサイズだけで判断することはできません。
冷媒配管のサイズはエアコン能力や機種で決まる
冷媒配管は、エアコンの冷媒量や圧力に合わせて設計されています。
配管が細すぎる場合は冷媒の流れに影響し、十分な性能を発揮できない可能性があります。
反対に、必要以上に太い配管を使用しても、必ずしも性能が向上するわけではありません。
適切なサイズを選定するには、メーカーの仕様書や施工資料を確認する必要があります。
業務用エアコンの冷媒配管サイズ表
冷媒配管のサイズは、主に液管とガス管の組み合わせで確認します。
代表的なサイズ例として、以下のような種類があります。
| 配管種類 | 主なサイズ例 |
|---|---|
| 液管 | 6.35mm、9.52mmなど |
| ガス管 | 9.52mm、12.7mm、15.88mmなど |
ただし、実際に使用するサイズはエアコンの能力やメーカー仕様によって異なります。
配管交換や移設工事では、既存配管がそのまま利用できるかも含めて確認が必要です。
ペアコイルとは
ペアコイルとは、液管とガス管を一組にした冷媒配管材です。
業務用エアコンの設置工事では、このペアコイルを使用して室内機と室外機を接続します。
配管内部の品質や施工性が重要になるため、エアコンの仕様に合ったものを選定する必要があります。
冷媒配管工事の施工内容
冷媒配管工事では、配管を設置するだけではなく、切断や接続、保護処理など複数の工程を適切に行う必要があります。
施工方法に問題があると、冷媒漏れやエアコンの性能低下につながる可能性があります。
配管の切断・加工
冷媒配管を接続する際は、配管を適切な長さに切断し、接続部分を加工します。
切断面にバリや汚れが残っていると、接続不良や冷媒漏れの原因になるため、丁寧な処理が必要です。
また、配管を曲げる際も、無理な力を加えると配管がつぶれたり、冷媒の流れに影響したりする可能性があります。
フレア加工による接続
フレア加工とは、冷媒配管の先端を広げて接続部を作る加工方法です。
業務用エアコンでは、配管同士を接続する際にフレア加工が使用される場合があります。
フレア加工の精度が不足すると、接続部分から冷媒が漏れる原因になります。
そのため、適切な加工寸法や締め付けトルクを守った施工が重要です。
冷媒配管の被覆処理
冷媒配管には、保温や結露防止のために被覆処理を行います。
被覆が適切に施工されていない場合、配管表面に結露が発生し、周囲の設備や建物へ影響を与える可能性があります。
また、冷暖房効率の低下につながる場合もあるため、配管接続部分まで丁寧に処理することが大切です。
配管の固定と保護
冷媒配管は、設置後に動いたり振動したりしないよう適切に固定します。
固定が不十分な場合、運転時の振動によって配管や接続部分へ負担がかかる可能性があります。
長期間安定して使用するためには、配管の取り回しや固定方法にも注意が必要です。
冷媒配管工事で必要な真空引きとは
真空引きとは、冷媒配管内部の空気や水分を取り除く作業です。
業務用エアコンを正常に運転させるためには、冷媒配管内を適切な状態に整える必要があります。
真空引きの目的
冷媒配管内に空気や水分が残っていると、冷媒の循環に影響する可能性があります。
真空引きを行うことで、配管内部の不要な気体や水分を除去し、エアコンが本来の性能を発揮できる状態にします。
真空引きを行わない場合のリスク
真空引きが不十分な場合、以下のようなトラブルにつながる可能性があります。
- 冷暖房能力の低下
- 消費電力の増加
- 冷媒回路への負担
- コンプレッサーの故障リスク
業務用エアコンは長時間稼働することが多いため、施工時の真空引きは重要な工程です。
適切な真空状態を確認する施工管理
真空引きは、単に機器を接続して終わりではありません。
適切な時間をかけて作業を行い、配管内部が正常な状態になっているか確認することが重要です。
施工品質を確保するためには、経験や知識を持った業者による作業が必要になります。
冷媒配管の洗浄が必要になるケース
冷媒配管の洗浄は、既存配管を再利用する場合などに検討されます。
配管内部の状態によっては、新しいエアコンへそのまま利用できないケースがあります。
配管再利用時に洗浄が必要な理由
古い冷媒配管には、以前使用していた冷媒やオイル、異物などが残っている可能性があります。
そのまま再利用すると、新しいエアコンの冷媒回路へ影響を与える場合があります。
そのため、配管の状態を確認したうえで、洗浄や交換を判断します。
古い冷媒や異物が残るリスク
配管内部に不純物が残っていると、冷媒の流れやエアコン内部の部品へ影響する可能性があります。
特に、異なる冷媒を使用していた既存配管を利用する場合は注意が必要です。
洗浄と配管交換を判断するポイント
既存配管を利用できるかどうかは、配管の状態やエアコンの仕様によって判断します。
劣化が進んでいる場合や、メーカーが再利用を推奨していない場合は、新しい配管への交換が必要になることがあります。
冷媒配管工事で注意すべきポイント
冷媒配管工事では、サイズ選定だけでなく施工条件を守ることが重要です。
配管長や高低差を確認する
業務用エアコンでは、室内機と室外機の距離や高低差に制限があります。
規定以上の配管長や高低差になる場合、冷媒量の調整など追加対応が必要になることがあります。
メーカー指定の施工条件を守る
冷媒配管のサイズや施工方法は、メーカーや機種ごとに指定されています。
適切なサイズ選定や施工手順を守ることで、エアコンの性能を維持し、トラブルを防ぐことにつながります。
経験のある業者へ依頼する
冷媒配管工事は、配管サイズの選定、フレア加工、真空引き、被覆処理など専門的な技術が必要です。
見た目では施工品質を判断しにくい部分だからこそ、業務用エアコンの施工経験がある業者へ依頼することが重要です。
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業務用エアコンの冷媒配管工事は施工品質が重要
業務用エアコンの冷媒配管は、エアコンを正常に運転させるために欠かせない重要な設備です。
適切なサイズの配管を選定するだけでなく、フレア加工、被覆処理、真空引き、配管洗浄など各工程を正しく行うことが重要です。
冷媒配管の施工不良は、冷暖房能力の低下や故障につながる可能性があります。
業務用エアコンを長く安定して使用するためには、機種に合った配管選定と確実な施工を行える業者へ依頼することが大切です。
株式会社ハセガワ住設の代表取締役。千葉県流山市を拠点に、地域の空調・電気・換気・配管工事を担う会社を率いています。豊富な現場経験と、確かな技術をもとに、本コラムの監修を務めております。第二種電気工事士資格保有。












